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月刊誌『都市問題』
第 92 巻 第 12 号 / 2001年12月号
品切れ

特 集

特集 : 公共事業は変われるか

 

内 容

2001.12  第 92 巻  第 12 号

論文 公共事業をどう変えるか−この1年間を振り返って
著者 保母 武彦
ホボ タケヒコ
役職 島根大学法文学部教授
特集名 公共事業は変われるか

2001.12  第 92 巻  第 12 号

論文 財政バランスと公共事業の見直し
著者 井堀 利宏
イホリ トシヒロ
役職 東京大学大学院経済学研究科教授
特集名 公共事業は変われるか

2001.12  第 92 巻  第 12 号

論文 公共事業における都市と地方の構図
著者 飯尾 潤
イイオ ジュン
役職 政策研究大学院大学教授
特集名 公共事業は変われるか

2001.12  第 92 巻  第 12 号

論文 三重県の行政改革と公共事業改革
著者 北川 正恭
キタガワ マサヤス
役職 三重県知事
特集名 公共事業は変われるか

2001.12  第 92 巻  第 12 号

論文 地域経済の自律的発展と公共事業
著者 渡邊 正太郎 福井 義高
ワタナベ ショウタロウ フクイ ヨシタカ
役職 花王特別顧問 東北大学経済学部助教授
特集名 公共事業は変われるか

2001.12  第 92 巻  第 12 号

論文 公共事業の新政策評価システム
著者 渋谷 和久
シブヤ カズヒサ
役職 国土交通省政策統括官付政策評価企画官
特集名 公共事業は変われるか

2001.12  第 92 巻  第 12 号

論文 公共事業の展開と地方財政危機の進展−1990年代の鳥取県を事例として
著者 藤田 安一
フジタ ヤスカズ
役職 鳥取大学教育地域科学部教授
特集名 公共事業は変われるか

2001.12  第 92 巻  第 12 号

論文 ドイツの歩行者エリアと都市公共交通(1)−規制と公共投資の政策過程
著者 村上 弘
ムラカミ ヒロシ
役職 立命館大学法学部教授

その他

図書紹介
時事問題
文献情報
2001年(第92巻)総目次

特集 : 公共事業は変われるか

1990年代の日本経済は「失われた10年」といわれる。とりわけて不良債権処理のために多額の公的資金が投入される一方で、度重なる総合経済対策が講じられたにもかかわらず、経済は長期低迷から脱することができなかったことは、経済政策としての公共事業への信頼性を決定的に失わせることとなった。
 日本社会のバランス失調を財政面で見ると、公的部門の長期債務残高がGDP比120%と先進国最高水準となり、財政のサステイナビリティが危ぶまれる事態になった。地方自治体は90年代の景気対策に、地方単独事業の増加、これを裏打ちする地方債の増加によって共同歩調をとってきたが、その結果いままでにない地方債残高を抱えることになり、もはや国の政策につき合いきれない事態に至っている。
 このことは、政治や行政面にも変革の気運を作った。公共事業を見直す機運を作ったのが、1997年の北海道の「時のアセス」である。そして1998年より公共事業官庁と地方自治体の公共事業に公共事業再評価制度も導入された。しかし、大半の事業が継続を容認されているように、いったん始まった公共事業を見直すことは、現実には容易なことではない。
 また、近時、道路特定財源の見直し、地方交付税制度の見直しなど、財源面からの公共事業見直しの議論が浮上してきている。これも、公共事業費の増加に歯止めをかけるとともに、財源配分の自由度をとり戻そうという意識に触発されてのことである。しかし、財源配分の問題は、都市の財源をもっと都市の再生に使うべきなのか、それとも地域間の不均衡是正に財源をあてるべきなのか、という都市と地方の対立を浮き彫りにせざるをえない。こうして、公共事業の見直しは、都市住民の声よりも地方住民の声を反映しやすいといわれる日本の伝統的な政治構造の変革とも密接に関連することとなる。
 さらに、吉野川可動堰事業、有明諫早湾干拓事業、東京湾三番瀬埋め立て事業などに見られるように、社会資本としての意義を問う観点から公共事業の見直しを迫る市民の声が、社会的に認知されていくというケースが次々に現れてきた。これは、「地域の安全や発展」に責任を持つのは行政なのか住民自身なのか、公共事業に依存しない地域の発展は可能なのか、という問題提起を地域社会に課すこととなった。
 以上のように、公共事業をめぐっては、さまざまな切り口があるが、本特集では、日本の財政バランスの回復、地方財政の自律性を回復することができるかという観点、地域間の利害の調整弁となってきた政治や行政の統治構造は変わるかという観点、公共事業依存型を脱して、地域社会や地域経済の内発的発展は可能かという観点から、論じていく。