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- 月刊誌『都市問題』
- 第 93 巻 第 6 号 / 2002年06月号
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特 集
特集 : 少子化時代の都市課題
内 容
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論文 少子化時代の都市づくり―新しい人間関係の構築 著者 牛嶋 正 ウシジマ タダシ 役職 名城大学都市情報学部教授 特集名 少子化時代の都市課題 -
論文 少子化の動向・要因と政策的対応について 著者 加藤 久和 カトウ ヒサカズ 役職 国立社会保障・人口問題研究所社会保障基礎理論研 特集名 少子化時代の都市課題 -
論文 少子化時代の教育・保育行政 著者 上杉 孝實 ウエスギ タカミチ 役職 龍谷大学文学部教授 特集名 少子化時代の都市課題 -
論文 都市における今後の家族―階層分化する若者たち 著者 山田 昌弘 ヤマダ マサヒロ 役職 東京学芸大学教育学部助教授 特集名 少子化時代の都市課題 -
論文 地域における「子育て支援」の現状と課題 著者 田中 文子 タナカ フミコ 役職 子ども情報研究センター所長 特集名 少子化時代の都市課題 -
論文 子どもをすこやかに産み育てる住宅環境―横浜市における 少子化と住宅環境に係わるアンケート調査の結果から 著者 白石 真澄 シライシ マスミ 役職 東洋大学経済学部助教授 特集名 少子化時代の都市課題 -
論文 スウェーデンの児童家庭政策 著者 津谷 典子 ツヤ ノリコ 役職 慶應義塾大学経済学部教授 特集名 少子化時代の都市課題 -
論文 市街地土壌汚染対策の制度設計―環境ADRへの一試論 著者 喜多見 富太郎 キタミ トミタロウ 役職 独立行政法人経済産業研究所客員研究員
その他
- 図書紹介
時事問題
文献情報
特集 : 少子化時代の都市課題
- 20世紀初頭、日本の人口は4,400万人ほどであった。現在の人口が約1億2,700万人であるから、1世紀でおよそ3倍に増えたわけである。しかし、まもなく人口は減少に転じ、2050年で1億人ほどになると予想されている。戦後の日本は人口増加が続いていたが、転機を迎えることとなる。
人口が減少する主因は、少子化である。昭和40年代、1年間に生まれてくる子どもの数は200万人前後であった。しかし、近年では120万人を下回るほどに減少している。合計特殊出生率が2.08を下回れば総人口は減少するといわれているが、2000年のそれは1.36であった。
少子化は全国的傾向であるが、都市においてはとくに顕著にあらわれている。都市の出生率は、全国平均よりさらに低い。少子化の原因として、未婚・晩婚化の進行や子育ての負担が挙げられている。これらは地方よりも都市のほうが深刻であるため、少子化の進行も速いのである。
都市の少子化を考えるにあたっては、2つの視点が必要となる。ひとつは、少子化傾向をどのように反転させるかという視点であり、もうひとつは、少ない子どもをうまく育てていくにはどうしたらよいかという視点である。この2つは、相互に関連している。都市における子育てのしにくさが、子どもを産まない大きな理由とされているからである。子どもを産みやすい都市をつくるには、子どもを育てやすい都市をつくらなくてはならないともいえよう。
今月号は、この2つの視点から特集を組んでいる。少子化と都市との関係について、これまでの少子化対策の検討から教育・保育行政、家族の問題など、幅広く論じていただいた。また、NPOの子育て支援や、横浜における住環境と子育ての関係、そしてスウェーデンの政策対応など、具体的な事例についても紹介している。本特集が、少子化がもたらす都市への影響とその対応を探る一助となれば幸いである。