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月刊誌『都市問題』
第 94 巻 第 7 号 / 2003年07月号
品切れ

特 集

特集 : 都市景観を考える

 

内 容

2003.07  第 94 巻  第 7 号

論文 転換点にある日本の都市景観行政とその今後のあり方
著者 西村 幸夫
ニシムラ ユキオ
役職 東京大学大学院工学系研究科教授
特集名 都市景観を考える

2003.07  第 94 巻  第 7 号

論文 景観論
著者 五十嵐 敬喜
イガラシ タカヨシ
役職 法政大学法学部教授
特集名 都市景観を考える

2003.07  第 94 巻  第 7 号

論文 都市再生とスカイラインを考える
著者 森野 美徳
モリノ ヨシノリ
役職 東京都立大学都市研究所客員研究員
特集名 都市景観を考える

2003.07  第 94 巻  第 7 号

論文 北九州市における都市景観形成への取組
著者 山本 達也
ヤマモト タツヤ
役職 北九州市建築都市局都市美デザイン室長
特集名 都市景観を考える

2003.07  第 94 巻  第 7 号

論文 歴史的街並み景観を「育てる」発想とは
著者 北原 啓司
キタハラ ケイジ
役職 弘前大学大学院地域社会研究科教授
特集名 都市景観を考える

2003.07  第 94 巻  第 7 号

論文 市民組織による歴史的町並み景観保全の活動−「川越蔵の会」を事例に
著者 荒牧 澄多
アラマキ スミカズ
役職 特定非営利活動法人川越蔵の会会員
特集名 都市景観を考える

2003.07  第 94 巻  第 7 号

論文 都市風景を再生するシステム−空間のデザインマネジメント
著者 北沢 猛
キタザワ タケル
役職 東京大学大学院工学系研究科助教授
特集名 都市景観を考える

その他

図書紹介
時事問題
文献情報

特集 : 都市景観を考える

 現在、わが国の大都市においては都市再生、都心回帰の潮流の中、超高層オフィス、高層マンションの建設が次々と進められている。低層住宅地の街なかに存在する企業保有地が売却され、突如として高層マンション建設が計画される例が多く、各地でマンション建設を巡る紛争が頻発している。
 一方、地方中・小都市においても、商店街の荒廃や郊外ロードサイドの巨大店舗の林立、中心市街地活性化の掛け声のもとでの大規模な区画整理や再開発への志向など、これまでの地域の原風景が失われ、無惨な状況を晒し始めている。経済合理性を追求する都市開発や地域整備の下で、都市の景観を守る市民や自治体を取り巻く情勢はきわめて心許ないようにみえる。
 このような中、昨年12月18日、東京都国立市「大学通り」沿いに建つ高層マンションを巡る訴訟で東京地裁が下した判決内容は、良好な景観の維持に努めてきた地権者らに「景観利益」があるとの認定を行うとともに、その利益を侵害する高さ20mを超える部分の撤去を命ずるという異例なものであった。都市景観への新たな法的価値を積極的に認めるとともに、調和のとれたまちづくりをめざす市民や自治体との合意形成の重要性を改めて示した画期的な判決であったといえるだろう。
 本特集は、こうした都市景観への意識の高まりや、転換点にある都市景観行政に対する多面的な議論の必要性から企画したものである。構成は次のとおりである。
 まず、これまでの都市景観行政を振り返りつつ、国立マンション訴訟の意味、めざすべき景観行政の方向について、都市計画の側面あるいは法律学の側面から2人の論者に議論を展開していただく。
 次に、大都市の都市景観に関する議論として、都市再生政策と景観とのバランスに着目した考察を行う。また、景観保全から一歩踏みだして積極的な景観形成、すなわちアーバンデザインへと政策を展開させている例として、北九州市の取組を紹介する。
 一方、地方都市の歴史的な街並みをいかに保全し育成していくべきか、その理念について考察を行う。あわせて、市民組織による歴史的町並み保全活動のユニークな例として、川越のNPO団体の取組を紹介する。
 最後に、景観をデザインマネジメントするために、市民や地域組織とのパートナーシップ等を踏まえてシステムをどのように構築していくかについて、検討を深めていくこととした。
 本特集が、今後の都市景観行政を考える上で一助になれば幸いである。