ホーム > 出版物のご案内 > 月刊誌『都市問題』バックナンバー検索
出版物のご案内
おすすめの本
ご注文について
月刊誌『都市問題』
バックナンバー
定期購読のお申し込み
「都市問題」公開講座ブックレット
都市調査報告
都市問題研究叢書
単発刊行物
後藤新平生誕150周年記念関連
創立記念出版物
図書・雑誌論文検索(OPAC)
デジタルアーカイブス
東日本大震災の情報
お買い物かごを見る
出版物のご案内

月刊誌『都市問題』バックナンバー検索

 

月刊誌『都市問題』
第 95 巻 第 6 号 / 2004年06月号
品切れ

特 集

特集 : 分権と地方議会の改革

 

内 容

2004.06  第 95 巻  第 6 号

論文 地方分権における地方議会の課題—協働型議会の構想
著者 江藤 俊昭
エトウ トシアキ
役職 山梨学院大学法学部教授
特集名 分権と地方議会の改革

2004.06  第 95 巻  第 6 号

論文 近・現代日本の地方議会制度成立史事情素描
著者 北出 寧啓
キタデ ヤスヒロ
役職 泉南市議、大阪市立大学法学研究科研究生
特集名 分権と地方議会の改革

2004.06  第 95 巻  第 6 号

論文 地方議会改革の現状と課題
著者 橋本 岳
ハシモト ガク
役職 三菱総合研究所E−ガバメント研究センター研究員
特集名 分権と地方議会の改革

2004.06  第 95 巻  第 6 号

論文 三重県の議会改革と地方議会改革の展望
著者 中川 正美
ナカガワ マサミ
役職 前三重県議会議長
特集名 分権と地方議会の改革

2004.06  第 95 巻  第 6 号

論文 議会の活性化と市民との連携
著者 鈴木 恵 中本 美智子 神牧 智子
スズキ メグミ ナカモト ミチコ カミマキ サトコ
役職 浜松市議会議員 吹田市議会議員 大阪市立大学大学院生
特集名 分権と地方議会の改革

2004.06  第 95 巻  第 6 号

論文 地方議会議員評価の可能性と課題―議会評価、議会改革とその先
著者 佐藤 幹
サトウ ツヨシ
役職 行政経営フォーラム
特集名 分権と地方議会の改革

2004.06  第 95 巻  第 6 号

論文 (インタビュー)首長から議会への期待と注文―志木市長・穂坂邦夫氏に聞く
著者 後 房雄
ウシロ フサオ
役職 名古屋大学大学院法学研究科教授
特集名 分権と地方議会の改革

2004.06  第 95 巻  第 6 号

論文 民間委託と公務員の雇用―新しい公務員制度への考察
著者 齊藤 徹史
サイトウ テツシ
役職 冨士総合研究所研究員

その他

時事問題
文献情報

特集 : 分権と地方議会の改革

2000年の地方分権一括法により、中央と地方の関係は、「上下・主従から対等・協力」の関係になったといわれる。それが機関委任事務の廃止を中心としていたように、今次の「改革」も執行機関の位置関係の変化に焦点があたらざるをえなかった。地方議会は今回の分権改革からも取り残されてしまったというのが実態である。
 議会は、本来、@地域と住民とを代表する機能、A審議し立法する機能、B首長・行政を監視する機能をもっている。しかし現実には、いずれの機能にも疑問符がなげかけられ、とくに近年では、行政への不信と相乗効果を伴ってきているところがあり、議会無用論さえ語られるようになってきた。
 こうした議会の機能不全は、長い歴史を背負ったものであり、議会や議員の責任にすべてを帰すのは酷であろう。戦後、地方自治法制定時に知事の権限とされた「部内の行政事務」は、明治時代の前半に始まる地方官官制の条項をそのまま同法に持ち込んだことをはじめ、首長−議会関係は、本質的なところで、首長の比重を高めてきたと言える。
 それが戦後の経済成長の中で、成長優先の国策をすすめる行政のチャンネルと、地域間の不均衡を是正しようとする地方政治のチャンネルを媒介にして、地方政府の中にも中央政府にならって、議院内閣制と錯覚するかのような与党・野党色分けの下に、「政治的官僚」と「行政的政治家」が活躍するというモデルができあがった。これが今日の、行政不信・議会不信の背景である。
 しかし、今後、分権化がさらに進む(分権化を進めよう)とするならば、このようなモデルが生き残れるはずがない。いや、あたらしい地方議会と地方議員のモデルを自らが作り出すことによって、さらなる分権化の旗手になることが地方議会に求められているのではないか。
 こうした問題意識から、特集「分権と地方議会の改革」では
@ 地方分権改革のなかで、地方政治を担う主体としての地方議会と議員にはどのような機能が重要となってきているのか、理論的および実証的に明らかにする。
A 地方議会の議員の中から内発的に起こってきている地方議会改革のうごき、市民との連携の動きなどさまざまな事例を追いながら、将来の地方議会改革への萌芽を探す。
B 議会と議員がその存在感を取り戻すために、市民や首長からみて信頼に足る主体になれるかどうか、議会と議員のアカウンタビリティについて検討する。
 現実の地方議会改革の動きも遅々としていて、先進的な動きも散発的である。ただ、全般的な政治化のなかで地方自治の政治化も間違いなく進行しており、散発的な動きの中にも将来の地方議会の改革にむけた伏流を見出すことはできるであろう。今回の特集が市民、議員、首長、行政職員にとってそのための議論の糸口になれば幸いである。