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月刊誌『都市問題』
第 95 巻 第 8 号 / 2004年08月号
品切れ

特 集

特集 : NPO再考―市民社会論の展開

 

内 容

2004.08  第 95 巻  第 8 号

論文 市民・NPOによる「公的空間」の創造―NPO(「公益」を担う市民活動)の新しい展開
著者 高田 昭彦
タカタ アキヒコ
役職 成蹊大学文学部教授
特集名 NPO再考―市民社会論の展開

2004.08  第 95 巻  第 8 号

論文 <参加>への封じ込めとしてのNPO−市民活動と新自由主義
著者 渋谷 望
シブヤ ノゾム
役職 千葉大学文学部助教授
特集名 NPO再考―市民社会論の展開

2004.08  第 95 巻  第 8 号

論文 NPO論を超えて―社会的企業論の可能性
著者 藤井 敦史
フジイ アツシ
役職 東北大学大学院経済学研究科助教授
特集名 NPO再考―市民社会論の展開

2004.08  第 95 巻  第 8 号

論文 新しい市民社会の生成?―阪神・淡路大震災から10年後のボランティアとNPO
著者 山下 祐介
ヤマシタ ユウスケ
役職 弘前大学人文学部助教授
特集名 NPO再考―市民社会論の展開

2004.08  第 95 巻  第 8 号

論文 地域ガバナンスの主体としてのNPOの展開
著者 林 泰義
ハヤシ ヤスヨシ
役職 NPO玉川まちづくりハウス
特集名 NPO再考―市民社会論の展開

2004.08  第 95 巻  第 8 号

論文 移行期における租税政策(1)―戦後日本の租税特別措置の再検討  
著者 ソボレフ ロマン
ソボレフ ロマン
役職 東京大学大学院博士課程

その他

図書紹介
時事問題
文献情報

特集 : NPO再考―市民社会論の展開

 2002年12月、特定非営利活動促進法(NPO法)の改正が行われた。1998年12月に制定されたNPO法においては、その附則で、施行後3年以内に検討を加え、その結果にもとづいて必要な措置が講ぜられるものとされていたところである。改正法は、2002年12月11日に成立し、12月18日に公布され、2003年5月1日から施行されている。
 今回の改正の内容は、特定非営利活動の一層の発展を図るため、その活動の種類を追加し、設立の認証の申請手続を簡素化するとともに、暴力団を排除するための措置を強化する等であるが、NPO法人格の取得や法人運営をより一層円滑にできるようにしようとするものである。
 NPO法人は今やその認証数が16,000を超え、とくにここ数年で急増しているが、法改正にも反映された通り、現在、本来のNPOの意義が薄れ、活動状況はやや混乱しているといえる。
 本特集号では、こうした法にもとづくNPOの実態や、法整備上や政策科学としての問題点について言及したり、昨今の「非営利組織」としてのマネジメントを中心に議論を行ったりするものではない。むしろ、NPO概念について議論することを目的として、「公益を担う市民活動」としてのNPOのあり方と役割を問い直す内容を中心として構成した。NPOが、異議申し立て型の市民運動・住民運動とは異なる、オルタナティブ提案型の市民活動を行う団体としての流れをくむものであるという歴史認識を前提としながらも、その認識をいわゆる「市民社会論的アプローチ」への批判、あるいは、こうした市民の公共領域への参加の流れを「新自由主義の福祉展開」であるとして批判する立場からきびしく検証していく。
 まず、巻頭論文では、NPOをめぐる諸議論を整理し、「公益」を担う新しい市民活動としてのNPOについて、「市民」「市民社会」「公的空間」といった概念規定を行いながら論ずる。つづく第2論文では、NPOやボランティアをはじめとする市民活動を支持する言説について、新自由主義への対抗という視点から批判的に検討し、その課題を提起する。第3論文では、非営利性を信頼性の条件とみなす既存のNPO論に対して、近年のEUで登場してきた社会的企業論の理論的潮流を紹介しながら、従来のNPOをめぐる議論が孕んでいた問題点を指摘する。第4論文では、阪神・淡路大震災から10年が経過した時点でのボランティア、NPOの実態をふまえて、「市民社会」とは何かについて検証を行う。最後の第5論文では、大都市や中山間地域を問わず地域の課題状況に応じて活動するNPOや、特定分野に特化して活動するNPOの現場を踏まえ、また、地域通貨の浸透とともに地域独自の循環型社会形成が進行している米ニューヨーク州・トンプキンス郡イサカの事例を紹介しながら、地域マネジメントから地域ガバナンスの主体へと展開してきているNPOの可能性について論ずる。