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- 月刊誌『都市問題』
- 第 109 巻 第 3 号 / 2018年03月号
特 集
特集1 : フクイチ被害、その後――「心の除染」に抗う
特集2 : 地域と祭り
内 容
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巻頭言 恐怖と知識 執筆者 児玉 龍彦 コダマ タツヒコ 役職 東京大学先端科学技術研究センター、医学博士 -
論文 伊達市が勧める「心の除染」の狡猾さ――恐怖心を取り除けば、人は健康でいられるのか 著者 黒川 祥子 クロカワ ショウコ 役職 ノンフィクションライター 特集名 フクイチ被害、その後――「心の除染」に抗う -
論文 原子力災害からの再生――「尊厳」を回復することができる復興政策を 著者 丹波 史紀 タンバ フミノリ 役職 立命館大学産業社会学部准教授 特集名 フクイチ被害、その後――「心の除染」に抗う -
論文 長期化する原発避難の課題――不可視化と忘却に抗して 著者 松井 克浩 マツイ カツヒロ 役職 新潟大学人文学部教授 特集名 フクイチ被害、その後――「心の除染」に抗う -
論文 福島原発事故をめぐる裁判の動向 著者 武藤 類子 ムトウ ルイコ 役職 福島原発告訴団団長、ひだんれん共同代表 特集名 フクイチ被害、その後――「心の除染」に抗う -
論文 市民放射能測定所ネットワークが描いた汚染地図――市民科学の旗高く掲げて 著者 大沼 淳一 オオヌマ ジュンイチ 役職 市民放射能測定センター運営委員、元愛知県環境調査センター主任研究員 特集名 フクイチ被害、その後――「心の除染」に抗う -
論文 二重基準が跋扈する原発事故の放射性廃棄物政策 著者 茅野 恒秀 チノ ツネヒデ 役職 信州大学人文学部准教授 特集名 フクイチ被害、その後――「心の除染」に抗う -
論文 誰のための甲状腺がん検診か――巧みに隠される患者の実像 著者 白石 草 シライシ ハジメ 役職 ジャーナリスト、NPO法人 OurPlanet-TV代表理事 特集名 フクイチ被害、その後――「心の除染」に抗う -
論文 祭りの変容――現代社会における祭りとは 著者 端 信行 ハタ ノブユキ 役職 国立民族学博物館名誉教授、滋賀県平和祈念館館長 特集名 地域と祭り -
論文 都市祭礼がコミュニティにもたらす影響――ソーシャル・キャピタルの視点からの検討 著者 稲葉 陽二 イナバ ヨウジ 役職 日本大学法学部教授 特集名 地域と祭り -
論文 過疎地域における祭りの存続 著者 佐々木 重洋 ササキ シゲヒロ 役職 名古屋大学大学院人文学研究科教授 特集名 地域と祭り -
論文 祭りと自治体・自治体職員 著者 今里 滋 イマサト シゲル 役職 同志社大学政策学部教授 特集名 地域と祭り -
論文 アーティストと地域は同じ夢を見るか――芸術祭と地域のイノベーション 著者 野田 邦弘 ノダ クニヒロ 役職 鳥取大学地域学部特命教授 特集名 地域と祭り -
書評 井戸まさえ著『日本の無戸籍者』 書評者 和田 武士 ワダ タケシ 役職 後藤・安田記念東京都市研究所研究員
その他
- 新刊紹介 『議院内閣制』/『ひとり空間の都市論』/『スマホゲーム依存症』
特集1 : フクイチ被害、その後――「心の除染」に抗う
- 3. 11 の東日本大震災によって引き起こされた福島第一原発事故から7 年のときが経った。東北各県での復興状況が報じられる一方、いつしか放射能汚染被害の続報が途切れたように感じる。そればかりか、過剰報道が風評被害を呼ぶとの注意喚起を煽ることで、すべての放射能被害報告が福島関連デマであると糾弾する傾向さえ見える。
あまつさえ、不安におびえる地元住民に対して、その不安に思う心を除染することがなにより大切だ、と説く者まで存在する。恐怖から目をそらしてはならない。恐怖の源の真の姿を明らかにし、立ち向かっていく術を手に入れたい。
特集2 : 地域と祭り
- 古来、日本では多様な「祭り」が行われてきた。その伝統は今も多くの地域に息づいているが、経済成長に伴う都市部への人口移動や産業構造の変化は、祭りに様々な影響をもたらした。過疎地域では担い手減少や規模の縮小など、祭りの維持が困難なところも出てきた。一方、都市部の祭りは、観光客を意識した祭りへと変化を遂げるものもあり、「見せる」祭りとしての側面が強くなっている。また広義の意味での祭りが、地域活性化のイベントとして盛んに行われている。
地域にとって祭りとは何か。今後、地域は祭りを残して、あるいは創り出していけるのか。自治体にはどのような関わり方が求められるのか。地域社会と祭りの関係、その変容や今後の展望等について掘り下げる。